ラブホの誘い方

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ラブホの誘い方
◆ラブホテルの内装に見る、若者の性の変化 回転ベッドが映し出す昭和の恋愛像
・ゴテゴテ主義の昭和のラブホ
今はなき昭和のラブホテルについて書いた、『日本昭和ラブホテル大全 (タツミムック)』著者の村上賢司さんに、話を聞いた。
――御著書の『日本昭和ラブホテル大全』、おもしろかったです。回転ベッドとか、エアシューターとか、懐かしいものばかりで(笑)。そもそも、村上さんが昭和のラブホに興味を抱いたのはどうしてなんですか?
村上賢司(以下、村上):僕、テレビっ子だったんですよ。子どもの頃、『11PM』とか『トゥナイト』などの大人向けの深夜番組をこっそり見ていた世代で、よくラブホ特集なんかをやっていたんですよね。あとはサスペンスドラマなんかで、ホステスが殺されるのはだいたいラブホ。そのインテリアなんかに惹かれていた。もう少し大きくなってからは週刊誌のグラビアを見て、その外観の電光パネルとかゴテゴテの内装とかを見て、気になってたまらなかった。山手線の内回りに乗っていると、新大久保を出て新宿に向かうすぐ右側に『ヴィップイン』というラブホがあるんですよ。それが長いこと気になっていたんですが、取材なんてできないと勝手に思い込んでいました。でも新刊のために飛び込みで取材を依頼してみたらすんなりできたんです。
・ラブホは「新しいものを体験する場所」
――昭和時代のラブホって、今は少なくなっているんですか。
村上:そもそも、40年選手のものってほとんどないんです。ラブホはリニューアルを繰り返していくものだから。というのは、ラブホって、「新しいものを体験する場所」なんです。昔のことを考えても、プレステとかカラオケとかジェットバスとか、普通の生活をしているとちょっと手の届かないアイテムを売りにするのがラブホのありようなんですね。実際、僕が大人になって、いざラブホに行く年齢になると、子どもの頃見ていた、あの回転ベッドやキラキラの部屋は、ほとんどなくなっていましたからね。
――どうしてなくなっていったんでしょう。
村上:ラブホがシンプル化したのは、1980年代だと思うんです。一説には、女性たちがシンプル化を希望したかららしい。81年に田中康夫さんの『なんとなく、クリスタル』(新潮文庫刊)という小説が話題になって(当時、ちょっとスノッブな若者に流行していたブランドや店が多数出てきて、それについての注釈までついている小説だったため、賛否両論を巻き起こした)、その中で主人公がセックスをするならシンプルなホテルがいい、と言う記述があったんです。そのあたりから、ラブホが変わっていったように思いますね。
ラブホ誘い方_01

 

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